介護ソフトは、介護事業者の業務に使われるソフトです。
新規導入や入れ替えの時、コスト削減のためになるべく安いソフトを探そうとする人もいるかと思いますが、それは本当にコスト削減になるのでしょうか?
実は、かえってコストがかかることもあるのです。
介護ソフトの料金について、解説します。
介護ソフトの料金は、様々な形でかかります。
そのため、一概に安いというのは難しいこともあるのです。
料金の比較は、どのような点でされるのでしょうか?
まず比較されるのが、導入時に発生する初期費用です。
イニシャルコストとも呼ばれるもので、介護ソフトは様々な会社から数多くリリースされているため、それぞれ導入時にかかる費用が異なるのです。
初期費用が最も安いものは、クラウド型のソフトなどで無料のものがあります。
導入時には、特に費用が掛からないのです。
パソコンなどのデバイスがあれば、すぐにでも使いはじめることができます。
一般的に、パッケージ型などの購入する必要があるソフトであれば、ソフト代が初期費用として必要になります。
ソフトによってその価格は異なり、数十万円から大規模な事業所向けのものとして数百万円のものもあります。
パッケージ型のものの中には、通常のパソコンの他にサーバーという専用の機器を用意しなくてはならないものもあります。
特に大きなデータを使用するものなどで必要とされることが多いのですが、そのための費用も掛かるでしょう。
クラウド型とパッケージ型のどちらでも、ソフトを使いたいパソコンを用意しなくてはいけません。
例えば、10人が並行してデータ入力できるようにするのであれば10台のパソコンが必要となるので、その分の費用も掛かります。
利用している間毎月発生する費用、月額費用も比較対象です。
ランニングコストと言われ、その介護ソフトを利用する上で定期的に発生する費用のことを言います。
主にクラウド型ソフトでは、利用料金が月額で請求されることになるので、ランニングコストが発生します。
また、介護保険制度などは定期的に改定されるので、それに合わせたバージョンアップにかかる費用も考えなければいけません。
ソフトによっては、ソフトの操作についての質問やトラブル時の対応等に備えた、サポート料や保守管理費用などが掛かることもあります。
これは、クラウド型に限らずパッケージ型でもかかるものです。
コストパフォーマンスも、チェックしましょう。
介護ソフトの主な目的は、介護事業における業務の効率化です。
現場での記録業務の効率化や、国保連合会への請求業務の効率化などが主な目的です。
介護職員、並びに事務職員が記録や請求業務を手作業で行うのに比べて、介護ソフトを利用することでどのくらいの時間が短縮できるのか、そして、その結果にどれだけ満足できるかというのが、コストパフォーマンスに繋がっていきます。
業務改善をすることで削減できる人件費に対して、かかる費用がどれだけかというのも比較対象になります。
業務を効率化させることで人員や残業手当などの削減につながりますが、それに対して介護ソフトの費用を比較することで、どれほどの削減につながるかが分かります。
また、人員不足が生じている場合でも介護ソフトを導入することで、問題を解消することができるかもしれません。
介護業界は人材不足に悩むことが多いので、ソフトを利用することで事務作業に費やされる人材リソースを他の実務に回すことができるのです。
介護ソフトにかかる料金は、いくつかの体系があります。
ソフトによって異なるので、どの料金体系がいいのかというのもソフト選びのポイントとなるでしょう。
介護ソフトには、主にパッケージ型とクラウド型があります。
パッケージ型というのは、購入の際にソフトの代金を一括で支払うというもので、基本的な料金はそれ以外にかかりません。
クラウド型は利用料金を月額で支払うもので、レンタル型とも言われます。
導入時には設定などを行うのでその費用が掛かるものの、それ以降は毎月決まった額を支払います。
また、パッケージ型では一括での購入以外にも、リースや割賦での利用ができるものもあります。
その場合、毎月一定額を支払うことになるのでクラウド型と同じような感覚になるでしょう。
また、パッケージ型の場合は毎月の利用料金などはかからないものの、定期的に保守費用やサポート費用などを支払う必要があります。
例えば、年1回決まった額を支払うというものです。
クラウド型には、従量課金制のソフトもあります。
利用される仕事量によって費用が異なるという仕組みで、登録される利用者数や介護スタッフ数、事務職員の人数などで異なります。
介護ソフトの場合、法改正があるとそれに伴ってアップデートをする必要があります。
また、現在使っているソフトから別のソフトに入れ替える場合もあるでしょう。
そういった時、データ移行することになるのですが、そのための費用も掛かります。
法改正に伴うアップデート費用やサポート費用、データ移行の費用などは、利用料金に含まれているケースと別途請求されるケース、最初から無料になっているケースなどがあります。
介護事業所が利用する介護ソフトには、非常に多くの種類があります。
機能面などの違いもあり、価格帯も幅広く揃っているのです。
介護ソフト会社によって費用は大きく異なるのですが、単純な価格だけでは比較できません。
安くて役立つ介護ソフトを選ぶには、コストパフォーマンスを考慮して比較しなくてはいけません。
導入することでどのような効果があり、どのくらいの費用が掛かり、そしてどのくらいの人件費などの削減ができるのか、ということが重要になります。
例えば、毎月10万円かかるソフトを導入して、人件費が5万円分削減できるというのでは意味がありません。
10万円かかるのであれば、10万円以上削減できるソフトでなければならないのです。
勿論、10万円で20万円分削減できるのならその方がいいでしょう。
しかし、費用を上回る削減効果があればそれがベストとは限りません。
他のソフトなら、もっと大きく削減できるかもしれないのです。
利用料金が10万円で20万円削減できるソフトよりも、利用料金が30万円で50万円分削減できるソフトの方が、費用対効果としては大きいでしょう。
また、最初に100万円払うパッケージ型のソフトでも、毎月10万円削減できるなら1年も経たずにもとは回収することができます。
パッケージ型のソフトの場合、最初に大きな費用は掛かるもののそれ以外にはそれほど大きな費用は掛からず、毎月の経費だけが削減できることが多いため、長く使っていればそれだけ効果は大きくなっていくのです。
また、本体価格や利用料金だけで比較して安いソフトを導入した結果、その入力作業などで余計に人件費がかかるようになった、ということもあるため、かえって支出を増やす結果になりかねません。
介護ソフトの比較は、必ずトータルのコストパフォーマンスを比較して検討しましょう。
介護ソフトを導入すると、介護事業の根幹を担う事務作業の多くはそのソフトを使うことになります。
そのため、業務効率に大きく影響するのです。
介護ソフトは様々な会社からリリースされていて、使い勝手の良さや機能面、価格などは大きく異なります。
そのため、単純な価格ではなくトータルの機能やコストパフォーマンスなどを比較して、選ぶようにしましょう。