介護職員として働く場合、利用者を直接介護するばかりではなく帳簿の作成なども業務の一環になるのですが、介護報酬の改定などがあるとその変更に時間もかかるので、負担も大きくなります。
そのため介護ソフトを利用するのがおすすめですが、選び方がわからないという人も多いでしょう。
選び方について、解説します。
介護ソフトを選ぶ際は、そもそも何のために必要としているのかを考えてみましょう。
今、最も困っている点は何なのか、改善したい点は何なのか、業務の中で負担に感じている点は何なのかを、まず明確にしてみることが大切です。
今必要としていることをリストにしてまとめ、それに合わせた介護ソフトを選ぶべきでしょう。
一般的には、どのようなことに困っているのでしょうか?
また、改善したい点、困っている点などは1つしかないとは限らず、複数にわたることがあります。
よくある、困っていること・改善したいことなどを、解説していきます。
まず、新規で介護事業を始める際に介護ソフトを導入しようと思ったときは、どのように選ぶべきでしょうか?
その場合に選び方として注目するポイントは何か、説明します。
最初に注目するべき点は、介護サービス事業に役立つかという点です。
新規事業において、帳簿作成などに役立つのかをチェックしてみてください。
介護ソフトを導入するにあたって、使えないものであれば意味がありません。
介護ソフトには様々な種類があり、その中には介護サービス事業全般に対応できるようになっているものもあれば、特定の介護サービス事業で使用することを前提としたものもあります。
また、介護ソフトの中には介護関係だけではなく、経理にも対応しているものがあります。
勤怠や給与などの管理も可能なものがあり、タブレットやパソコンで出退勤のボタンをクリックすることで、その時刻が打刻されます。
タイムカードの代わりにもなりますが、それ以外にも給与の計算、そして振込まで一元管理できるものもあるのです。
これには、スマホでの打刻にも対応しているものもあるので、どのような使い方をするのか考えて選びましょう。
ただし、介護ソフトの導入を決定するのは経営陣ですが、実際にそれを中心となって使用するのは現場のスタッフなので、そのスタッフが使いやすいものを選ぶことも重視しましょう。
その際は、介護ソフトを使用するハードが何になるかを考えてみてください。
通常はパソコンで使用することを考えると思いますが、スマホやタブレットのほうが使いやすいこともあるでしょう。
介護ソフトの中には、実際に購入・契約する前に試用期間を設けていることもあります。
それを使って、実際にスタッフが利用してみて評価を聞いてみると、いいと思う点や不満に思う点などを知ることができるので、それから導入しても遅くはありません。
介護サービス事業が訪問業務の場合、パソコンを持ち歩くのは大変なのでタブレットやスマホに対応しているもののほうが利用しやすい、とよく言われています。
その場で簡単に入力できるので、いちいち事業所に戻ってデータ入力をせずに済むのです。
サポートが充実しているか、という点も重要です。
介護施設や介護事業所など利用しているところや利用を検討しているところから、ソフトの使い方や質問等を受け付けている介護ソフト会社もあります。
介護ソフトは導入時や法改正があったときなどは、サポートを受けることができれば非常に助かります。
サポートの方法は、介護ソフトの会社によってチャットや電話、メール、訪問、遠隔サポートなどやり方が異なるので、最初に確認しておきましょう。
介護業界に多い悩みといえば、人材不足、そして業務過多です。
介護ソフトによって、その多忙な状態を改善することも可能となるのです。
どのようなポイントに注目して、選べばいいのでしょうか?
多忙な状態を改善するには、まず介護記録や請求業務、連絡帳などの帳簿作成などの対策が必要となります。
介護業務に加えてこのような作業があるので、多忙になりやすいのです。
介護ソフトを利用することで、あらかじめ介護業務が一覧になっていてそれにチェックマークを入れるだけで介護記録を作成できたり、音声でデータ入力が可能になったりするので、かかる時間をかなり短縮することができます。
また、音声を保存してそれを文字に変換してくれるという介護ソフトもあるので、パソコンにキーボードなどで入力するのが苦手、というスタッフにとってはとても助かるでしょう。
また、訪問介護の際は職員が介護記録を入力したときにそれをサーバーへと保存し、実績データと請求ソフトを連携させることで同時に請求業務も行うことができる介護ソフトもあるので、転機によるミスも無くし月末に請求業務を溜めることもなくなります。
シフト作成も、担当者名をドラッグ&ドロップするだけで可能なソフトがあります。
シフト変更の際も、変更された職員のスマホに通知が届く機能もあり、いちいち連絡する必要もありません。
利用者のバイタル記録を、介護記録などに反映できるものもあります。
付属の機器を使用することで、離床や排せつなども記録でき、入居者から声掛けがなくても職員が対応することが可能となり、転記の必要がなくなってミスも減らすことができます。
法改正があったタイミングで、介護ソフトを導入することもあります。
その場合、まずは高齢者に対する介護の質の向上を目指す国の取り組みであるLIFEに対応したものを選びましょう。
LIFEへの入力が必須な項目は、取得した加算の種類で異なります。
この入力は、介護ソフトを利用することで工数を減らすことができるのです。
LIFEに関するデータを入力するのであれば、対応したソフトを選びましょう。
また、IT導入補助金やICT導入支援金といった制度に対応した介護ソフトもあります。
国や自治体から出される補助金や支援金なので、それに対応したものを選ぶことで事業所などが給付を受けることができます。
介護報酬は3年に1度改訂され、介護報酬の区分も変更されます。
介護ソフトを利用していないと、その変更を自分で行わなくてはいけないので、非常に手間がかかります。
介護ソフトを利用すると、法改正などの変更にも対応可能です。
職員の代わりに、介護ソフトの会社が代わりに変更してくれるのです。
そのため、かなりの手間が省けるでしょう。
介護ソフトには、費用が掛かります。
その負担をゼロにすることはできませんが、費用増加や費用負担を軽減することは可能です。
そのために注意するポイントは、何でしょうか?
まず、導入方法を考えてみましょう。
介護ソフトにはパッケージ型とクラウド型があるのですが、パッケージ型は導入時に一括で支払うものであり、クラウド型は月額払いです。
クラウド型のほうが、初期の費用は少なくなります。
しかし、最終的にはパッケージ型のほうが、全体の費用は安くなるのです。
長い目で見て、どちらがいいかを考えてみましょう。
介護ソフトを選ぶ際は、まず何の目的で導入するのか、何を改善したいのかをしっかりと考えるようにしましょう。
介護ソフトには様々な種類があり、機能も異なります。
その中から、自分が求める機能を備えているソフトを探しましょう。
注目するべきポイントはある程度まとめて紹介しました。
自分の導入目的に応じて、そのポイントを確認してみてください。